着物買取の値段はどう決まる?査定員が見ているポイントと、お買取できる着物・厳しい着物

出張買取すずらん堂の岡島です。当店がこれまでにうかがった訪問1,528件のうち、着物のご相談は446件。品物の中でいちばん多いのが着物です。そして着物は「思っていたより値段が付いた」と「これは厳しいのか」が同じお宅の中で並ぶ、判断の難しい品物でもあります。

このページでは、私が現場で着物を見るときにどこを見ているのか、どんな着物にお値段が付きやすく、どんな着物が厳しいのか、そしてシミやカビがあるときにどこまでお買取できるのかを、できるだけ正直に書きます。帯や和装小物もまとめて扱います。地域ごとの案内は着物・帯・和装小物の買取ページにありますので、ここでは「値段の付き方」だけに絞ります。

着物の査定で、私が最初に見ているところ

滋賀県内でお買取した色留袖。畳んだままだと地味に見えるが、広げると裾一面に手描きの草花が出てくる
滋賀県内のお宅でお譲りいただいた色留袖。畳んだ状態では地味な色に見えますが、広げると裾一面に手の入った草花が出てきます

まず生地を触る。証紙より先に手が動きます

着物を広げたら、最初に生地を見て、触ります。正絹かどうか、糸の細さ、織りの詰まり具合、手描きか型染めか。ここは書類ではなく手の感触で分かる部分で、証紙や作家名を確かめるのはそのあとです。色柄もこの段階で見ます。今の時代に着ていただける色柄かどうかが、あとあとの流通先を大きく左右するからです。

裄丈(ゆきたけ)で、その着物の行き先が変わる

次にサイズです。特に裄丈、つまり背中の中心から袖口までの長さを見ます。昔の着物は今の方には短いものが多く、裄が短いと「着物として着る方」への流通が難しくなり、生地としての評価に回ることがあります。逆に裄が長めで状態の良い着物は、それだけで評価が上がります。同じ産地・同じ作家でも、サイズで結果が変わる品物だと思ってください。

証紙・作家名は「あれば大きい」。端切れの袋も見せてください

結城紬や大島紬など産地物の着物には、産地の組合が発行する証紙が付いています。作家物なら落款や共箱があります。これがあると無いとでは評価がはっきり変わります。ただ現場でよくあるのが、証紙を捨ててしまっている、あるいは証紙だと知らずに端切れとして別の袋に入れて保管しているうちに一緒に手放してしまっている、というケースです。着物と一緒に、端切れや反物の切れ端が入った袋があれば、そのまま出しておいてください。私が中を確認します。

お値段が付きやすい着物と、期待されやすいのに厳しい着物

付きやすいのは、産地物・作家物・そして大正頃までの古い着物

大島紬、結城紬といった産地の紬、作家の落款がある訪問着や付下げは、やはりお値段が付きやすい品物です。中でも作家物は評価が安定しています。もうひとつ、意外と知られていないのが「大昔の着物」です。祖父が骨董商だった影響で私は古い品を見る機会が多いのですが、大正の頃からの着物には骨董としての価値が出てきます。蔵に眠っていた継ぎはぎだらけの藍染の生地でさえ、リメイク素材として重宝される世界があります。古いから駄目、ではなく、古いから見せていただきたい品物です。骨董・古道具の買取ページでも、この時代の品物は扱っています。

振袖や冠婚葬祭の着物は、実は厳しいことが多い

お客様が「これは高かったから」とおっしゃる着物ほど厳しい、という場面は現場で本当によくあります。代表的なのが振袖、留袖、喪服といった冠婚葬祭に関わる着物です。購入時のお値段は高いのですが、着る場面が限られ、次に着る方が見つかりにくいため、流通の場では評価が伸びません。反対に、普段に着られて派手すぎない小紋や紬は、購入時の値段に関係なく求める方が多い品物です。「高かった着物ほど厳しく、普段着のほうが評価される」。この逆転は、着物を手放す前に知っておいていただきたいことのひとつです。

かんざし・帯留は「こんなもの」と思われがちで、意外です

逆に、お客様が「これは値段にならないでしょう」と脇に寄せていた品にお値段が付くこともあります。代表がかんざしと帯留です。小さくて古びて見えても、素材や細工によって評価される品があり、着物本体より高くなることさえあります。帯も同じで、大きさに左右されない分、着物より流通しやすい品物です。箪笥の引き出しの小物入れは、そのまま開けて見せていただければ十分です。

シミ・カビ・ポリエステル。すずらん堂はどこまでお買取できるか

金糸で扇面と牡丹を織り出した着物。他の荷物と一緒に箱に納められていた
洋服やアクセサリーの整理のご相談の中に、たとう紙ごと箱に入っていた金糸織の一枚。他の荷物に紛れて手放されやすい品物です

「着物として」か「生地として」か。流通先が二つあります

正直に言うと、状態が極端に悪くなければ、着物は割となんでもお買取できます。理由は、行き先が二つあるからです。ひとつは着物としてそのまま次の方に着ていただく流通。もうひとつは、生地として再利用する流通です。裄が短い、柄が古い、多少の傷みがある。そうした着物でも、生地としての価値で拝見できるので、一枚ずつ「着物として売れるか」だけで判断はしません。

ただし、シミ・カビ・においがはっきりある品は、どちらの流通でも難しくなることが多いのが実情です。評価を下げる要素にもなりかねませんので、そこは正直にお伝えします。それでも「見ないと分からない」のが着物です。畳んだ状態で袋に入れてしまう前に、一度お見せください。

クリーニングも仕分けも、しないでください

お客様から「クリーニングに出してから呼んだほうがいいですか」と聞かれることがあります。答えは「そのままで」です。状態は良いに越したことはありませんが、着物のクリーニングは費用がかかり、その費用のほうが評価の差より大きくなってしまうことがあります。仕分けも要りません。良さそうなものだけ選んでいただくと、証紙や小物のように「思わぬ価値」が出る品が抜け落ちてしまいます。箪笥から出したままの状態で、まとめて拝見させてください。

ポリエステル・ウール・浴衣・喪服はまとめてなら

ポリエステルやウールの着物、浴衣、喪服、お子さんの着物は、一枚だけですとお値段を付けるのが難しい品物です。ただ、他の着物や帯、小物と一緒にまとめて拝見する場合には、全体の中でお値段を考えられることが多くあります。「これは無理だろう」と先に除けず、一緒に出しておいてください。状況によりますが、なんとかできる場合が少なくありません。

お買取した着物はどこへ行くのか

京都・大阪の市場、提携の中古着物店、リメイク素材

すずらん堂がお買取した着物は、大阪や京都といった、世界中のバイヤーが集まる古物業界の市場に出しています。それに加えて、提携している中古着物店に直接お譲りすることも多く、生地として価値のあるものはリメイク素材の流通に回します。同業者との横のつながりもありますので、一枚一枚に合わせて売り先を選べます。「この着物はどこなら一番きちんと評価されるか」を選べることが、お値段を付けられる範囲の広さにつながっています。

着物専門の買取と、当店のやり方の違い

着物だけを専門に回るお店には、研修で査定のポイントを覚え、写真を撮って本社の判断を待つ仕組みのところがあります。決して悪いやり方ではありませんが、そうしたお店では「まず見せてください」と言いつつ、10枚あれば1〜2枚だけお値段を付けて、残りはそのまま、ということになりがちです。着物だけを高く売りたい方には合っていても、「箪笥ごと片付けたい」「実家を整理したい」という方には向きません。

当店は着物だけでなく、同じお宅にある食器や骨董、貴金属、家具までまとめて拝見します。年間で1万点ほどの品物を見ていますので、売れるものは手に取った時点でだいたい分かりますし、業界データをその場で調べ、目の前で私が査定額を決めるスピード査定です。全体でお買取させていただけると、単品では流通が難しい着物も一緒にお値段を付けられますし、お部屋が片付いて、まとまった金額をお渡しできる。片付けが目的の方には、こちらのほうが結果的に喜んでいただけることが多いです。

他店で断られた着物を、まとめてお買取した日のこと

滋賀県内のお宅で、先に別のお店に着物を見てもらったものの、ほとんどお値段が付かずに残ってしまった、というご相談をいただいたことがあります。うかがって一枚ずつ広げてみると、着物として流通させるのは確かに難しいものでしたが、生地としてはしっかり利用価値のある品が揃っていました。そこで着物はまとめてお買取。同じお宅で他のお品物もお買取できたので、残っていた箪笥は後日、提携している片付け業者に手配して、費用をいただかずにお引き取りできました。

着物を一枚ずつ生地として見直す作業は、時間もコストもかかります。全体で利益が出るからこそ、できることです。「一度断られた着物」は、当店にとってはむしろ得意な相談のひとつです。

着物の査定でよくいただくご質問

一枚だけでも来てもらえますか

はい、うかがいます。査定料も出張料もいただきません。ただ、この記事で書いたとおり、帯や小物、他の品物も一緒に見せていただいたほうが、お値段を付けられる幅が広がります。「ついでに見てほしい」ものがあれば、当日その場でお出しいただいて構いません。

証紙が見つかりません。無いと買ってもらえませんか

証紙が無くてもお買取できます。生地と織りを見れば、産地の見当はある程度つきます。ただ、あるとお値段は変わりますので、端切れの袋や箪笥の引き出しの隅など、心当たりがあれば探しておいていただけると助かります。

電話で品名を説明できません

「着物が箪笥に二竿分」くらいで十分です。お電話は私(岡島)か妻か、査定員の田村の3人だけが出ますので、詳しいことは当日うかがってから拝見します。

この記事を書いた人

岡島 祐介(出張買取すずらん堂 代表)。祖父が骨董商。買取業界での経験は10年以上、ご自宅への訪問は7,000件を超えました。査定員の田村 優也も業界歴10年以上で、二人で滋賀・三重のお宅を回っています。

着物は、畳んだままでは価値が見えない品物です。手放すと決める前でも構いません。まずは一度、そのままの状態でお見せください。0120-847-323(通話料無料)

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