手あぶり火鉢

滋賀県内のお宅で、蔵と物置の整理にあわせてお呼びいただき、他の道具類とご一緒にお譲りいただいた手あぶり火鉢です。箱型の胴に太い提げ手が付いた金属製で、色は落ち着いた茶褐色。全体に細かな擦れと使い込まれた艶があり、正直に申し上げれば「古い金物」として捨てられてしまいがちな見た目です。ただ胴の側面に亀を大きく打ち出した意匠が入っており、これがお買取と判断した理由になりました。添えられていた古い書付も一緒に拝見しています。
手あぶり火鉢のお買取で、見ているポイント
胴に打ち出された絵柄の彫りの深さ
写真で一番目を引くのが、側面に向かい合うように配された亀の意匠です。甲羅の筋や首の伸び方まで立体的に起こされており、平たい線彫りではなく、地から浮き上がるように打ち出されています。この手の絵柄は、型で押しただけの量産品と、職人が鏨で丹念に起こしたものとで印象がまるで違います。影の出方や輪郭の立ち方を、実物を斜めから見て確かめます。
提げ手と口縁のつくり
上部の提げ手は角張った独特の形で、蝶番のような可動部を介して胴に取り付けられています。こうした金具は壊れやすく、欠けたり後から別物に付け替えられていることも少なくありません。元のままきちんと動くか、付け根が割れていないかは必ず見ます。天面の炭を入れる開口部も、縁の立ち上がりがしっかり残っているかどうかで評価が変わります。
素材の重さと表面の古色
手に持ったときの重さと、表面に出た深い色合いも判断材料です。銅や真鍮などの合金を使ったものは重みがあり、長い年月で落ち着いた色が乗ります。この色は人工的には出せませんので、無理に落とさずそのままの状態が望ましいです。角の擦れや小さなへこみは、この種の道具では減点というより使われてきた証として見ています。
よくいただくご質問
汚れているので磨いてから見せたほうがいいですか
いいえ、そのままでお見せください。金属磨きで擦ってしまうと、長年かけて乗った古色が一気に薄くなり、かえって評価を下げることがあります。埃を軽く払う程度で十分です。判断に迷われたら、何もせずそのままの状態で拝見させてください。
箱がなく、書付の紙も傷んでいます
箱がなくてもお値段をお付けできる品物は多くあります。今回のように古い書付が残っていれば、破れや変色があっても一緒に拝見します。紙一枚から素性の手がかりが出ることもありますので、傷んでいても捨てずにそのままお出しください。脚が取れている、開口部が歪んでいるといった不具合がある場合も、状態を見たうえで正直にご説明いたします。
査定について
査定はその場で業界の取引データを確認しながら進め、目の前で金額をお伝えします。いったん引き取って後日ご連絡する、という進め方はいたしません。査定料も出張料も無料で、拝見した結果お買取に至らなかった場合もご請求は一切ございません。
お電話に出るのは代表の岡島と妻、そして査定員の田村だけです。ご相談のあとにしつこくお電話を差し上げることはありませんので、蔵や物置に眠っている古い金物があれば、まずは気軽にお声をかけてください。


